令和7年11月4日
破産者 弁護士法人丸の内国際法律事務所
破産管財人 弁護士 池田 伸之
1.債権者集会の期日について
令和7年11月4日 午後3時から、債権者集会が名古屋地方裁判所において開かれました。第2回は、令和8年3月3日午前10時50分から開催されます。
2.財産状況の報告等
(1)破産手続開始に至る経緯
破産者弁護士法人丸の内国際法律事務所(以下、破産法人といいます。)は、一般法律事務を目的として令和5年4月26日に設立され、社員は瀨邉勝弁護士(以下、瀬辺弁護士と言います)1名であり、同弁護士は令和7年6月13日に死亡しました。同法人は、法の規定により解散となり、その後清算人として、服部郁弁護士が選任されました。
破産法人は、令和7年2月以降業務を縮小し、同年3月には事務員1名を残し、その他の従業員は全員解雇しました。
破産法人は、広告会社B社とタイアップして、インターネットを通じて、投資詐欺、ロマンス詐欺等の詐欺事案の被害の回復をすると銘打って、顧客を募り、多数の事件を受任しました。一方、事件の受任にあたって、依頼者に対し、回収可能性の見通しに関して、正しい説明をしない等として、着手金の返還を求める紛議調停申立が愛知県弁護士会(以下、弁護士会という)に多数申立てられて、弁護士会は、綱紀委員会に調査命令を申立て(弁護士会による瀬辺弁護士への懲戒請求)、令和6年3月13日に、一般にその事実を公表しました(以下、事前公表といいます。)
事前公表後、受任件数が激減し、詐欺事案の新規の受任も行わなくなり、そのため、紛議調停事件の対象となる事件での着手金の返還、人件費、事務所の賃料、その他事務所の運営経費の支払いが出来ず、令和6年8月頃には、事務員D氏から必要経費を借り受けてしのぐような状態となりました。
瀬辺弁護士の死亡後、弁護士会が破産法人の清算人選任を申立て、上記の服部弁護士が清算人となり、令和7年7月22日、同清算人によりさらに破産法人の破産申立がなされ、同月24日、名古屋地方裁判所において、破産手続開始決定がなされ、当職が破産管財人に選任されたものです。
(2)これまでの破産管財業務の概要
①依頼者への対応
破産業務の状況報告や質問への回答に備えて、ホームページを開設し、電話回線も2回線設置しました。
受任事件や依頼者に関する資料やデータ等は、ごくわずかしか存在せず、クラウド上に存在していたデータも、瀬辺弁護士の死亡後消去されており、従前の依頼者に対する連絡や事件の引継ぎもできないのが現状です。
②A社への決済金の請求
破産法人の着手金などのカード払い等の決済を代行していたA社がチャージバックの可能性が有るとして、返金に応じないので、訴訟による解決を検討中です。
③金銭の流れの調査
上記のネット広告により、法人設立後、1期が約6億円、2期が約2億800万円の売り上げを上げているものの、広告会社であるB社に対しては合計金約5億8500万円が広告費名目で支払われており、実に売り上げの67%が広告費で占められています。広告費の算出の根拠が判然としていないため、登記上の住所に文書で照会をしたところ、宛所に尋ねあたりませんとのことで、返送され、代表者となっているC氏の住所宛、再度照会を送ったところ、代表者は、自分自身は会社経営に一切関与していないし、代表者となっていることの自覚も全くなく、この広告業務にも一切関与していないとの回答でした。今後、瀬辺弁護士の相続財産への破産申立が予定されており、同弁護士に渡った金の有無を含めて、引き続き金銭の行方の調査を行い、回収の可能性があるかどうかの検討を行う予定です。
④D氏への車両名義の変更に対する対応
破産法人の車両がD氏へ破産決定の前月になされており、D氏によれば、未払の給料代わりに譲渡されたという主張でした。その後、労働者健康安全機構に立替払いされた未払給料から車両の査定金額を控除した金額60万円をD氏に支払ってもらうことで合意をし、この件の処理をしました。
(3)財産目録
現在の破産財団の回収等の状況は、以下の通りです。
| 番号 | 科目 | 内訳明細 | 評価額 | 回収額 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 現金 | 破産の保管現金 | 1,500,000 | 1,500,000 |
| 申立人からの引き継ぎ金 | 342,005 | 342,005 | ||
| 2 | 金券 | 小為替、レターパック、収入印紙等 | 22,622 | 22,622 |
| 3 | 預金 | M銀行 | 21,519 | 21,519 |
| O信用金庫 | 967 | 0 | ||
| 4 | 売掛金 | A社 | 3,575,085 | 0 |
| 5 | 保険 | E社 少額短期保険 | 12,600 | 12,600 |
| 6 | 還付金 | 国税還付金(消費税) | 350,444 | 350,444 |
| 7 | その他 | 名義変更車両に関する解決金 | 600,000 | 600,000 |
| 銀行利息 | 85 | 85 | ||
| 合 計 | 6,425,327 | 2,849,275 | ||
3.配当の見込み
今のところ、未定です。配当が可能な場合には、裁判所に債権届をしていただく必要がありますが、その際には、改めて、本ホームページでご案内します。